1

坪庭

建物の奥に設けられた一坪ほどの寸庭で、風通しと採光をかねてつくられているのが「坪庭」。自然を美しく取り入れながら燈籠や庭石を置くなど、小さいながら風情を醸し出す大切な空間になっています。

お福さん

坪庭から微笑みかける「お多福顔」をした石。京都一の傳本店を建設する際に掘り出されたもので、「お福さん」と呼ばれ親しまれています。開店以来、優しいまなざしで私たちの歴史を見守ってくれるありがたい存在です。

蔵戸

穀物や商品、財産などを火事やネズミから守るために厚い漆喰の壁で建てられている蔵。この蔵の扉部分に使われているのが「蔵戸」です。重厚感がある木製のものが多いですが、そのデザインは様々。京都の町家職人の巧みな技が見受けられます。

屋根を支え、柱を固定するために天井を横切らせた太い木が「梁」です。木の梁は、地震の際には横揺れに強く、しなやかに受け流すことができる優れものです。京町家の梁は総じて細く繊細で、京都人の気質をよくあらわしています。